利行満足

 「利行満足」とは、「また五種の門ありて、漸次に五種の功徳を成就したまえりと、知るべしと。何ものか五門。一には近門、二には大会衆門、三には宅門、四には屋門、五には園林遊戯地門なり」とのたまえり。この五種は、入出の次第の相を示現せしむ。

 入相の中に、初めに浄土に至るはこれ近相なり。謂わく大乗正定聚に入るは、阿耨多羅三藐三菩提に近づくなり。浄土に入り已るは、すなわち如来の大会衆の数に入るなり。衆の数に入り已りぬれば、当に修行安心の宅に至るべし。宅に入り已れば、当に修行所居の屋宇に至るべし。修行成就し已りぬれば、当に教化地に至るべし。教化地はすなわちこれ菩薩の自娯楽の地なり。このゆえに出門を園林遊戯地門と称すと。

(教行信証・証巻「論註」引用部分)

 「利行満足」とは自利利他の菩薩行が完成していく方向を明らかにしています。「初めに浄土に至るはこれ近相なり」とは初めて智慧を得たことをいいます。悟りに近づいたから「近門」です。すなわち「如来の大会衆の数に入る」から「大会衆門」といい、ここで浄土の門をくぐり、さらに進んで母屋に入ったので「宅門」といいます。さらに修行は進んで、仏のおられる奥座敷へと進んできたので「屋門」という。奥座敷に至れば仏にお会いして修行が終わったので、浄土から出て衆生済度に出かける。これを「園林遊戯地門と称す」と。

 自利利他の菩薩行が完成して、やがて仏となる。われらは菩薩の修行など一度もしたことがないが、これらのことが不思議にも「智慧の働き」、すなわち「念仏の功徳」で成就されるのです。なお、竹内先生は「屋門」について、こうお話しされました。すなわち「奥座敷までお伺いしたところ、仏さまは衆生済度に出かけておられて、お留守であった」と。これも大切な教えですので、ここに書き記しておきます。

 南無阿弥陀仏




by zenkyu3 | 2018-08-15 05:25 | 教行信証のこころ | Comments(0)