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難行易行のみちおしえ

高僧和讃・龍樹讃(3) 3

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 龍樹大士世にいでて
 難行易行のみちおしえ
 流転輪回のわれらをば
 弘誓のふねにのせたまう

 十住毘婆沙論にいわく、仏法に無量の門あり。世間の道に難あり、易あり。陸道の歩行はすなわち苦しく、水道の乗船はすなわち楽しきがごとし。菩薩の道もまたかくのごとし。あるいは勤行精進のものあり、あるいは信方便の易行をもって疾く阿惟越致に至る者あり、と。なにを信じるかと言えば、阿弥陀仏の呼び声を信じる。涅槃界からわたしに呼びかける。汝一心に正念にして直ちに来れ、我よく汝を護らん。すべて水火の難に堕せんことを畏れざれ、と。信じて一歩を踏み出した瞬間、涅槃に入る。これを信方便の易行という。善及

 南無阿弥陀仏

# by zenkyu3 | 2023-11-25 05:24 | 高僧和讃のこころ | Comments(0)

法性のさとり

歎異抄・第十八条 71

 一 仏法のかたに、施入物の多少にしたがいて、大小仏になるべしということ。この条、不可説なり、不可説なり。比興のことなり。まず仏に大小の分量をさだめんことあるべからずそうろうや。かの安養浄土の教主の御身量をとかれてそうろうも、それは方便報身のかたちなり。法性のさとりをひらいて、長短方円のかたちにもあらず、青黄赤白黒のいろをもはなれなば、なにをもってか大小をさだむべきや。念仏もうすに化仏をみたてまつるということのそうろうなるこそ、「大念には大仏をみ、小念には小仏をみる」(大集経意)といえるが、もしこのことわりなんどにばし、ひきかけられそうろうやらん。かつはまた檀波羅蜜の行ともいいつべし。いかにたからものを仏前にもなげ、師匠にもほどこすとも、信心かけなば、その詮なし。一紙半銭も、仏法のかたにいれずとも、他力にこころをなげて信心ふかくは、それこそ願の本意にてそうらわめ。すべて仏法にことをよせて世間の欲心もあるゆえに、同朋をいいおどさるるにや。(真宗聖典638ページ)

 異義八か条の最後です。第十七条では往生とは成仏のための往生であり、死後のことではないことを明らかにした。そして、第十八条は仏とは色も形もない本願力であることを明らかにする。いわく、法性のさとりをひらいて、長短方円のかたちにもあらず、青黄赤白黒のいろをもはなれなば、なにをもってか大小をさだむべきや、と。法性のさとりとは第八教化地に入って本願力が働きを現す。本願力がこの身に現れたことの自覚が法性のさとりです。また、一紙半銭も、仏法のかたにいれずとも、他力にこころをなげて信心ふかくは、それこそ願の本意にてそうらわめ、と。十八願の信楽に始まった仏道は本願力に育てられながら、最後は、色も形もない本願力を見る。第九条は七地沈空の難を示し、第十条は第八教化地を示した。異義八か条の最後、第十八条は御物語十か条の最後、第十条に対応している。善及

 南無阿弥陀仏

# by zenkyu3 | 2023-11-24 05:27 | 歎異抄を読む | Comments(0)

歓喜地を証してぞ

高僧和讃・龍樹讃(2) 2

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 本師龍樹菩薩は
 大乗無上の法をとき
 歓喜地を証してぞ
 ひとえに念仏すすめける

 十住毘婆沙論にいわく、初地、何がゆえぞ名づけて歓喜とするや。答えて曰わく、初果の究竟して涅槃に至ることを得るがごとし。初果を得るがごとしというは、人の須陀洹道を得るがごとし。善く三悪道の門を閉ず。法を見、法に入り、法を得て堅牢の法に住して傾動すべからず、究竟して涅槃に至る、と。信楽を獲得することは、疑心の塊のようになって真っ暗闇の森の中をさまよい歩いていた時に、遠くに針の先ほどの光を見つけたような喜びです。なにを見たかと言えば、ほんのわずかに涅槃を見た。これを始点として無上涅槃の終点を目指す仏道が始まるのです。善及

 南無阿弥陀仏

# by zenkyu3 | 2023-11-23 05:22 | 高僧和讃のこころ | Comments(0)

本師龍樹菩薩は

高僧和讃・龍樹讃(1) 1

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 本師龍樹菩薩は
 智度十住毘婆娑等
 つくりておおく西をほめ
 すすめて念仏せしめたり

 第一祖・龍樹大士は印度の人、紀元150年頃の生れで、大乗仏教の大成者であることから八宗の祖と尊ばれ、親鸞は七高僧の第一祖と仰いでいる。不退転地に入ることは仏教の肝要であるが、龍樹は十住毘婆沙論に、もし人疾く不退転地に至らんと欲わば、恭敬心をもって執持して名号を称すべし、と教えている。信を獲るためには、身を慎み、謙虚な心で、つねに本願を憶念する。どのように憶念するかと言えば、仏の方から見たら、わたしはどのように見えるのかと、つねに仏のお心を念ずる。すると、仏のお心と心通じて、瞬時に仏の眼になる。善及

 南無阿弥陀仏

# by zenkyu3 | 2023-11-22 05:29 | 高僧和讃のこころ | Comments(0)