2017年 08月 20日 ( 1 )

同行の御暇乞い

  二九七、ある人御暇乞いにまいり、
  此世ではこれが御暇乞いで御座ります、
  今度は御浄土で御目にかからして頂きましょうと
  申し上げたれば、師は態と聞かぬさまをなし、
  フーンとの御一言にて、顔をそむけられける。
  また或る人伺いたれば、からだの暇乞いに来たか、
  心の暇乞いに来たか。体の暇乞いは致すが、
  心の暇乞いは蓮臺に手をかけるまでは致さぬ。
  と仰せられぬ。

  (香樹院語録)  

 香樹院師、死の床でもなお弟子に対しては「心の暇乞いは蓮臺に手をかけるまでは致さぬ」と手厳しい。最初の人は身分の高い人らしく「今度は御浄土で御目にかからして頂きましょう」などと適当を言って逃げ出した。師の前に出るはこわい、腹の中までお見通しだ。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」 


by zenkyu3 | 2017-08-20 06:10 | 香樹院語録を読む | Comments(0)