2017年 07月 15日 ( 1 )

心の病としての孤独

  三六、伊勢進士妙念の話に、
  或る同行、私は御恩が知れませぬと申し上げたれば、
  五劫永劫五劫永劫と、独りごとに云うておれ。
  と、仰せられたりと云云。

  (香樹院語録)

 この宇宙に自分一人しかいないことを「孤独」という。仏のお心はこの宇宙に遍満しているが、仏のお心とともにないことが「孤独」である。仏のお心に出会うこと以外に孤独は癒えない。「五劫思惟の願」はわたし一人のためである。わたしのことをわたしの知らない遠い過去からずっと思いづめに思ってくださっていたお心がようやくわたしに届いたのである。わたしはずっと一人ではなかった。それが「信心歓喜」である。孤独という恐ろしい病が癒えた喜びである。心の深いところにみな孤独を隠している。自ら知らず、孤独を癒すために人の愛を求めているが、人の愛では孤独は癒されない。われらはみな一人で死んでいくからである。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」 


by zenkyu3 | 2017-07-15 06:23 | 香樹院語録を読む | Comments(2)