2017年 06月 06日 ( 1 )

後生願わぬ四因

  五五、後生に心のふり向かぬは、
  四の因縁ありと仏説きたまえり。
  一には、放逸の故に。
  二には、大地獄あることを信ぜざるが故に。
  三には、業異熟を知らざるが故に。
  四には、まさに死すべき事を知らざるが故に。

  (香樹院語録)  

 誰しも死んだ後が心配だ。なぜ生まれて来たかがわからないから人生に満足して死んで行けない。われらは過去世も未来世もわからないと思っているがそうではない。現在の自分のありさまを見ればどんな過去世であったかはわかる。同じように、いましていることがそのまま未来である。とても仏になるような所業ではない。現在の自分のありさまに自信がないから心の深い所で未来を恐れている。その恐れが地獄となるのである。「後生に心のふり向かぬ」のは内心深く死後を恐れているから見ようとしないだけである。

 われらは死後の恐れを心底に深く隠すためになにをしているか。一つは「放逸」、欲望の満足だけが人生だと決めてしまう。二つは「大地獄あることを信ぜざる」、自分の心の中の底なしの闇を見ないようにする。三つは「業異熟を知らざる」、因果応報ということを忘れて犯した罪を考えない。四つは「まさに死すべき事を知らざる」、いつまでも死なないかのように生きる。しかし、いくら死から逃げ回っても誰しも臨終を前にする。その時になって後悔しても遅い。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」


by zenkyu3 | 2017-06-06 06:35 | 香樹院語録を読む | Comments(7)