2017年 06月 05日 ( 1 )

一念往生

  二三九、仰せに、臨終ほど大切なることはなし。
  人間世界の人、みな極月晦日のみに苦しむ。仏法また然り。
  然るに、我祖一人、その臨終のことは、心にかけるなとのたまう。
  みなみな味うべし。
  或人問うて云はく、平生業成の心にて候か。
  秀存師曰く、一念往生の心にて候か。
  師曰く、然り。

  (香樹院語録) 

 人生の終わりに、われらは人生の総決算を迫られる。死ぬにあたって「生まれてきたことの理由がわかったか」と問われるのです。生まれてきた理由がわかればこそ、やるべきことをやり終えた人生だったと満足して死んで行ける。「我祖一人、その臨終のことは、心にかけるなとのたまう」。親鸞の仰せは、死に臨んで「生まれてきた理由」を考えなくてはならないようではもう遅い。いまが臨終の思いで「生まれてきた理由」をはっきりさせなくてはならないというのです。信の一念にそれがわかる。だから、いつ死んでも往生する。臨終を待つことなし。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」


by zenkyu3 | 2017-06-05 06:35 | 香樹院語録を読む | Comments(0)