2017年 06月 02日 ( 1 )

他人の称讃は身を毒す

  一五五、天台宗の章安大師は、
  甘く譚うを悪知識というと云われたり。
  我が好むこと云うてくれる人には、つとめて用心せよ。
  嫌いな食物に向うて、食い過ごそうかと云う心配はなし。
  『詩経』には「盜言転た甘し」とあり。
  凡夫と云うものは、我が身ひいきののかぬもの也。
  よくよく考うべし。

  (香樹院語録)

 褒めあって互いを気持ちよくさせようというのが人間交際の巧な手管である。人はみな「我が好むこと云うてくれる人」に簡単にだまされる。自分だけが可愛いい人間が人を褒めるなど裏があると知るべきである。褒めて人をだます人ほど褒め言葉に簡単にだまされる。称賛は酒のように人を気持ちよくさせ、称賛の酒で多くは身を持ち崩すのである。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」


by zenkyu3 | 2017-06-02 06:51 | 香樹院語録を読む | Comments(0)