2017年 05月 07日 ( 1 )

香山院師の述懐

  二一七、香山院龍温師いはく。
  予、香樹院師の社中に入り、
  しばしば自督の安心を述べて師に御糺を乞いたれども
  師一同に印可したまはず。
  再三再四に及びたるに師の曰く、
  貴公の言葉もっともなり、
  されども貴公の心には、まだまだ印可が出来ぬ、と。
  予もそれより和上の法語は云うも更なり、
  一巻の御聖教を拝見するにも、
  自身往生の大事と云うことを忘れざりしかば、
  遂に明かに仏智を信じ
  光明の中に住ませて頂くの思いをなすに至れり、と。

  (香樹院語録) 

 師の印可が欲しいのは信をいただいていないからです。信心は如来回向だから、いただいたことが仏の証明です。仏の証明だから「これは信だろうか」とはならない。「これは信だろうか」とはまだ仏を疑っている。龍温師曰く「光明の中に住ませて頂くの思いをなすに至れり」と。摂取不捨の体験です。いまさら師の印可などいらない。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」


by zenkyu3 | 2017-05-07 19:40 | 香樹院語録を読む | Comments(0)