2017年 04月 19日 ( 1 )

これなりで助けられる

  七〇、新井の妙意、御病中に参り申し上げて云うよう。
  いよいよこれなりで、助けられるので御座りますか。師の曰く。
  そうじゃそうじゃ、勧めるものも其処をよく教え、
  聴聞するものも其処をよく聞かねばならぬことじゃ。

  (香樹院語録)  

 なにから救われるかといえば、自分の心から救われる。心あるゆえに苦しむ。どんな心か。事実を受け入れられずにあれこれ理由を探す心だ。事実を疑い納得できる理由を探す。しかし、納得できる理由はない。事実を受け入れない心は事実に苦しめられ続ける。苦しみから救われるには納得したい心を捨てる。

 事実を疑う心を捨てる。理屈ではない。理屈に立った心からすれば「なにもわからない」となったところが救いである。わかりたい心が捨てられた。「わかろう」が自力のはからい。「わからなくていい」が他力のはからいなし。頭の中の妄念妄想を捨てて事実に立つ。事実は大地、こぼれ落ちようがない。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」


by zenkyu3 | 2017-04-19 10:07 | 香樹院語録を読む | Comments(0)