恩愛のままにて往生する也

  一六三、我等は親子夫婦の恩愛によりて、
  三界の繋縛を受けたるものなれば、
  今生に於ては割愛と云いて愛を切り捨てねばならぬことなれども、
  ただ浄土真宗は、妻子が可愛ければいよいよ聴聞して、
  恩愛のままにて往生する也。

  (香樹院語録)

 この法語には「捨てられぬものを捨てよとは申されぬ」と題がついている。出家は身を捨てる。在家は心を捨てる。在家は身は捨てないから「親子夫婦の恩愛」はそのままである。そのままでいいというのが在家で、出家は煩悩を否定するから煩悩に捕らわれてしまう。あってもなくてもいいとなれば煩悩を相手にしない。煩悩はあっても煩悩の影響を受けないから「心を捨てる」という。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」


by zenkyu3 | 2017-06-25 06:25 | 香樹院語録を読む | Comments(0)