仰せを持ちかえるな

  八六、江州醒ヶ井みそすり屋にて。
  師曰く。婆々、そのままの御助けじゃぞや。

  婆々曰く。難有う御ざります。
  いよいよ是のままの御助けで御座りますか。
  師曰く。いやそうではない。
  そのままの御助けじゃ。仰せを持ちかえるなよ。

  (香樹院語録) 

 師の「そのまま」とは仏の方から見せていただいた「そのまま」。婆々の「そのまま」は自分が見た自分。師と婆々では「そのまま」の言葉は同じだが見ているものが違う。竹内先生は「仏法は自己保身させるためにあるのではない。自己保身を破るためにあるのだ」と教えられた。みな「そのまま」の自分で救われたいのでしょうが、そうはいかない。一度は心に死んで「このまま」に戻って来なくてはならない。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」


by zenkyu3 | 2017-06-21 06:16 | 香樹院語録を読む | Comments(0)