我等は苦痛に恩を負う

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  一二三、「梅痩占春少、庭寛見月多」
  (梅やせて春を占むるは少なけれど、庭ひろくして月を見ること多し)。
  人間は苦と楽とある故、成仏がなるなり。
  然れば苦は嘆くべからず、我等が出離のもとでなり。

  (香樹院語録)

 思い通りが「楽」、思い通りでないことを「苦」という。誰かにとっての「楽」は必ず誰かにとっての「苦」であるし、昨日は「楽」だったのに、同じことが今日は「苦」であるということもある。だから、この世に固定した苦楽はなく、思い通りにしたい心が苦楽を造って、苦楽は外にあるとだまされている。苦楽は外ではなく内側からやって来るというのが人生の正しい理解である。外に花満開の人生は内側にある永遠の仏心に触れる機会を奪う。この世のことしか知らずに死んでいくのである。

 南無阿弥陀仏

 柏原祐義・禿義峯編「香樹院語録」


by zenkyu3 | 2017-05-22 07:08 | 香樹院語録を読む | Comments(0)